Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほんじょみぞれがし

本所霙河岸

山本 周五郎

Leggi 本所霙河岸 (ほんじょみぞれがし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.115 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

一の二

「無礼なことを申すと、承知せんぞ」

一の二

「承知しねえなあこっちだ、さんぴん!」

ぱっと拳が飛んだ。よほど喧嘩に馴れた者とみえて身ごなしも呼吸も綺麗だった、――浪人者は危く、拳だけは躱したが、泥酔している体がぐらりと崩れて、だっと仰さまに小座敷へ倒れた。

「野郎、たたんじまえ」

ばらばらと鳶の者が四五人、駈寄ろうとしたとき、――隅のほうから商人風の中老の男が、

「待ってください、皆さん待ってください」

と叫びながら割込んできた。

「なんだ、佐渡庄さんじゃあねえか」

「危ねえから引込んでてくんな」

「いいえ待っておくんなさい」

佐渡屋庄兵衛といって、向う河岸で道具屋をしている男だった、――いきり立つ若者たちを押隔てながら、

「このかたは私が少し知っているんだ、勘定は私が払うからもうこのくらいで勘弁してあげてください。さあこれで……たんとは無いが払いをして、余ったらみんなで一杯やっておくんなさい」

「だってそれじゃああんまり」

「まあいいから、鶴七さん頼みますよ」

一分銀を押付けて、すばやく佐渡庄は浪人者を抱起すと、ほとんど担ぐようにしながら店を出て行った。

春とはいっても二月の夜寒。