Classici giapponesi con furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Leggi 植物記 (しょくぶつき) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 165.848 caratteri · 327 schermate
つまりツボスミレの場合のツボは庭先きにつづいた野も一緒に含めて言ったものである。
ツボはかの源氏の桐壺のツボと同様まずは庭の事だと思っていればよい。今日では庭の事をツボといっている処は少ないが、私の郷国の土佐では昔の名が遺っていて、なお今日でも庭先きの事をツボと呼んでいる。聞く所によれば名古屋辺でもそうであるそうな。しかし庭といっても樹木を植え込んだ庭園の事では無くて家の前の広場すなわち坪である。例えば「麦をツボへ干す」、「子供がツボへ蓆を敷て遊ぶ」、「ツボで独楽を舞わす」などと言わるるツボである。
ある広さを有するツボすなわち坪もツボスミレのツボも同意義であると言っても別に差支えない。
ツボスミレは昔始めは手近かな庭先きに生えている者を見てそうその名を呼んだものだろうが、しかし後ちに野辺で同様見出されてそれをやはりツボスミレといっても、あえて何んの不都合もありはしない。それは丁度カワホネが川で無い池に生えていてもやはりカワホネでイケホネとはいわぬと同じ事、また山ザクラが野の在てもやはり山ザクラで野ザクラとはいわぬと異ならないのである。
彼の繖形科品のツボクサは坪クサすなわち庭クサの意で、この草も庭先きの地などに生えるからそういうのである。