Classici giapponesi con furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Leggi 植物記 (しょくぶつき) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 165.848 caratteri · 327 schermate
この樹の材は堅いには堅いが存外脆く粘力に乏しく、決して強靱では無いから、ソノ細かいカナメを作るには固より不適当である。ゆえに広い世間に一向それで拵えたカナメを見ないで、カナメは皆金属か、骨か、あるいは鯨のオサか、また近来はセルロイドで作られている。もし幸にこの樹がその適材であったならば、その用途として何んで世間がこの得易い材を見逃がそうゾ、今実際に少しもそれが用いられて無い所を以て観ると、それが全く用に中らぬ樹であるからであると直ぐに合点が行くのであろう。ゆえにこの樹で扇のカナメを作るからそれでそれをカナメモチというのだとの古人の説は実にヨイ加減な机上の空論で、何等実際とは合っていなく、何等権威のあるものでは無い。そしてこれをそのまま信ずる人は疑も無く実際的の知識を欠いでいるわけである。
右の誤称カナメモチ、正称アカメモチは昔からこれをソバノキといっていたが、この称呼はなお今日でも諸州に現存していて、例えば土州ならびに紀州などではやはりそう呼んでいる。
昔の学者はこのソバノキのソバを稜の意に取ったからよくその語原が呑み込め無かったが、これは決して稜の意味では無く、それはこの樹上に群集攅簇して一面に満開する白花の姿が、宛かもソバすなわち蕎麦の花に似ているから、それでそう名づけられた者に外ならないのである。