Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate
「だからゆだんするなと云ったじゃないか、どうだ、もういちどやり直すか」と七十郎が云った。
五郎太は苦しそうに呻いているし、凉軒の額からは血が滲み出て来た。他の一人は刈田の中で動かず、粉雪はきらきらと光りながら、かれらの上に降りかかっていた。
「もういい、ゆこう」と十左が云った。
「五郎太と凉軒」と七十郎が云った、「二人ともえものを選び直せ、五郎太の刀は長すぎるし、凉軒の槍は重すぎる、凉軒の槍はばかげているし、五郎太の朱鞘の大刀は滑稽だ、そんなこけおどしな道具はよして、自分の身に相応したものを使え、――それから、後学のために名を聞かせてやる、おれは北村の伊東七十郎という者だ」
そう云ってから、彼はふといやな顔をし、棒をそこへ投げだして馬のほうへいった。いやな顔をしたのは、「颯爽たるものだな」という声がしたからである。穏やかな、少し皮肉な声で、すぐ耳のそばで聞えたように思った。もちろん誰が云ったのでもない、記憶のかなたからよみがえった声だ。
――原田甲斐。
七十郎は舌打ちをし、十左から手綱を受取って、その百姓馬に跨った。
「ゆこう、里見老」と七十郎は怒ったような声で云った。