Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

、また大学の弟の遠山勘解由を、いまだに評定役にしておくのは不審である、などと述べ、さらに、

――兵部が京都方面から金を借りて、伊達本領の内で大量に米を買い占め、ひそかにあきないをした。

という事実があげてあった。

「だいぶきびしいな」と七十郎は書状を巻いた、「このまえ諸家へ配ったものより、字句がずっと直截で手きびしいようじゃないか」

「それでもまだ遠慮してあるくらいだ」

「米の買い占めというやつは事実なのか」

「必要なら証人を呼びだすこともできる」

七十郎は手酌で飲み、うんと頷いて、十左を見た。

「それで、これをどうする」

「持っていてくれ」と十左が云った、「場合によれば、おれは一ノ関と刺違えて死ぬつもりだ」

七十郎は眼をそばめた。十左は硬ばった微笑をうかべて、それだけだ、と云った。

「これだけ頼んでおけばいい、おれは帰るから、ゆっくり保養するがいい」

七十郎は石巻に三日いて、それから遠田郡北村の、自分の生家にまわり、七日ばかり滞在したのち、小野の館へ帰った。

北村には彼の父母と、兄の家族たちがいて、久方ぶりの彼の帰郷をよろこび、ひきとめて、なかなかはなそうとしなかった。