Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

「そうできればよいが」新左衛門はこみあげてくる咳を抑え、懐紙で額の汗を拭いて、それから云った、「お聞き及びかと思いますが、吉岡の奥山大学どのが国老を免ぜられますので、どうしてもそのあとを、引受けなければならないことになったのです」

「吉岡どのは御罷免ですか」

「正式にはまだ仰せ出されませんが、江戸ではそう決定しているとのことです」

慶月院は頷き、新左衛門の咳のやむのを待って、そういうことなら、と云った。

「そういうことだとすると、御新任のあなたにはいっそう重荷のかかることでしょう、わたくしは御政治むきのことはかいもく知りません、けれど、松山が国老の任を解かれたのも、吉岡どのが罷免されるのも、なにか裏に糸がひかれているようで、――これはわたくしの独り合点でしょうが、そのあとにあなたが直られるということは」

新左衛門が手をあげて、「わかっております」と遮った、「それは承知のうえのことで、それについてうかがいたいことがあってまいったのです」

慶月院の表情が固くなった。

「――わたくしになにをお訊きなさる」

「船岡どのの御心底です」と新左衛門が云った。

慶月院は眉も動かさなかった、「あれになにか御不審でもあるのですか」