Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

慶月院は内庭のほうを見た。皺をたたんだ彼女の眉間がひらき、その眼が、ひときわ強い光を帯びるようにみえた。

「――それで」と慶月院は内庭のほうを見たままで反問した、「わたくしにあれの心底を訊きたいと仰しゃるのですか」

「船岡どのはいま、一ノ関の与党になった、という評がもっぱらです」

「わたくしが思うのに」と慶月院はゆっくり云った、「三者の盟約が事実だとすれば、あれが一ノ関さまのふところへはいるのは、初めからの予定だったのではありませんか」

「そのとおりです」

「そうとすれば、一ノ関さまの与党になったと、評の立つことに不審はないでしょう」

「それはそのとおりなのです」と新左衛門は咳を抑えながら云った、「そのとおりですが、初めの約束と、船岡どのの仕方とがしだいにくいちがって来た、一ノ関との関係は密接になるが、涌谷さまや松山どのとは遠ざかるばかりなのです、初め、御内室を離別されたときは、一ノ関を謀る手段だと思われましたが、いまでは松山との縁を切るのが、本当の目的だったのだとさえ、いわれているのです」

「誰がそう云うのですか」

「涌谷さま、松山どの、その他の者も殆んどそうみております」