Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.285 caratteri · 330 schermate

Aozora Bunko

はわかってる、私は知ってるんだ」

「そんな声を出さないで」とおみやが制止した、「もし聞かれでもしたらどうするの」

だが新八は首を振り、おみやの言葉を遮って云った、「もうおれも子供じゃあない、いつまでもごまかすことはできない、おれは知ってるし、おまえだって知ってる筈だ」

「新さん、お願いよ」

「柿崎さんはおれを売るつもりだ、いや、もう売ってるんだ」と新八は云った、「この道場を造った金は、一ノ関から出たものだし、毎月、多額な手当を一ノ関から引出している、隠してもだめだ、このおれを質にしてそういう金を取っているし、いざとなれば、おれの躯を一ノ関の手へ渡すつもりなんだ」

そうだろう、と新八は声をふるわせた。

いつかは自分を使って、畑姉弟を掠おうとした。それは、自分や畑姉弟を保護し、親のかたきの兵部少輔を討たせてやる、という口実だった。その誘拐が失敗してから、自分は疑いをもち始めた。そしてこの耳と眼で柿崎さんの動静をさぐり、なにを企んでいたか、ということを知るようになった。

「柿崎さんは、一ノ関から金の引出せるあいだおれを放すまい、金が引出せなくなったら、おれの躯を一ノ関に売るだろう」