Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 148.519 caratteri · 296 schermate

Aozora Bunko

とか身をもち崩したとかいうのはおかしい、しかも、十日目には早くも、老中の酒井雅楽頭から注意が来ている、――十日目にですよ、いったい雅楽頭はどうしてそれを知ったんですか、雅楽頭は新吉原の目付でもしているんですかね」

甲斐が云った、「やっぱり七十郎は酒が足りないようだ、おくみ、おまえ酌をしてやらないか」

「痛いですか原田さん」と七十郎は云った。

甲斐は穏やかな眼で彼を見た。

「痛いんですね」と七十郎は唇で笑った、「しかしもう少し云わせて下さい、侯にはたしかに酒癖がある、そのために酒を断っておられたし飲みはじめてからはだいぶ諸方から小言が出た、去年あたりは水戸家からも意見されたそうですがね、ではどんな御乱行かというとこれといって数えるほどのことはない、飲みはじめるとだらしがなくなるという程度でしょう、なにしろまだお若いのだし、おまけにそばからすすめる者さえあった、――なにか仰しゃいましたか」

七十郎は甲斐を見た。甲斐はよそ見をしたまま「いや」と首を振った。

「そうですか」と七十郎は頷いた、「私はまた口止めされたかと思いました」

「そう思ったらやめるがいい」と里見十左衛門が云った。