Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate

Aozora Bunko

疲れたように老博士は眼を閉じていたが、その村長の問いには直接の返事を与えないで、人に話すともなく独語つとも付かずこういうことを言い出した。

「今から三十二、三年ばかり前……前の世界大戦中のことですが、太平洋南水域で大暴れをした独逸の駆逐艦がある。シャッガァ号というのですが、今私共の読んでいるこの巻物は、いずれもその駆逐艦に乗り組んでいたカアル・フォン・ワイゲルトという若い独逸の中尉によって書かれたものです……」と言いかけて、微笑して博士は語を切った。

「……その中尉はそれそこにいる!」

一同愕然とした。博士の指さしたのは、古羅馬貴族の服装を着けた男の方の木乃伊であった。

「呀っ! 先生! この木乃伊が!」

「ほう! へえ! この木乃伊が独逸人だったのですか?」

「そうです。それがワイゲルトという中尉なのですが、……それは純粋の木乃伊ではありません。特殊の薬剤を注入して……ま、そんなことはいずれ明日でも詳しく申し上げるが、……そのワイゲルトという中尉の姉がある貴族のところに縁付いて、独逸のケムニッツ市に住んでいる。その姉に渡すようにと書いてありますからもしその本人が生存していれば、まあ、その人のものになるのではないかと思われますな。