Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate

Aozora Bunko

と私は夏の頃のあの一場面を思い浮べながら口へ出してみた。

「それが恋は盲目というのではありませんか!」とカ氏は白い歯を見せたが、その表情はたちまち譬え難い厳粛なものに変った。

「まったく今ではMISS・キャゼリンの心は殿下のことで一杯なのでしょう。温和しい人ですから口には出しませんが、おそらく四六時中殿下のことのみを考えているのでしょう」とカ氏も暗然たる面持をした。

「まったく業なのです。本来ならばあなたの仰有るとおり太子殿下はジャルディン卿を御成敗になりましたのですから、殿下を憎まなければならない立場にある婦人なのですが、その殿下にあれほど盲目になり切っているのも業なれば、また殿下にしてもそういう女性に付き纏われていられるというのも、ことごとく業という言葉以外では説明の方法がないのです」とカ氏はつくづく嘆息するように言った。「亡くなった駐在官とは違ってキャゼリン嬢は決して肚の悪い婦人ではありません。もし殿下にさえその気がおありになるのならば、かえってMISS・キャゼリンとでも御結婚になることが対英関係上にも殿下御一身上にも好都合ではないかと思われるのですが、肝心の殿下が、身震いするほど厭い抜いておられるのですからてんで問題にはならないのです。