Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.361 caratteri · 483 schermate
そしてそれはちょうどそうした日のある夕方のことであったと覚えている。
「おや! 不思議な音がするぞ! あれは何だ?」と、ルドウィッヒ大尉が突然に耳を澄ませた。「凄い音がするぞ!」
一緒に食事をしていたブルメナウ機関大尉も軍医長のリンデンベルゲル軍医大尉や我々も、フォークを投じて耳を澄ませた。なるほど容易ならぬ物音がしてくる。ドドドドドドドドと、太鼓を打っているようにも聞こえれば、またどこかで滝の水が一時に海へ落下してくる音のようにも思われてくる。急いで甲板へ飛び出してみたが、海は渺茫として、艦は相変らずヨタヨタと右に左に酔っぱらいのように揺れながら、千鳥足で進んでいるばかり! その不思議な物音は、艦のゆく手から轟いてくるように思われるのであった。
すでに生死の境も幾度か潜り抜けて、今ではもはや生にも死にもさしたる執着は覚えぬ乗員たちではあったが、さすがに、この霧と烈風との間から轟いてくる異様な物音だけには、兵員たちも耳を欹てて、甲板のあちらに突っ立ち、こちらに佇みして、音の起ってくる原因を確かめようとしていた。そして音は艦の進むにつれて、いよいよ一刻増しにその響きを増してくるように感ぜられたのであった。