Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate

Aozora Bunko

おいおい、あれはいつ頃だったかいな? 棚田のお母さんの亡くなったのは」

と父は母に記憶を求めているのです。その時初めてこのお母さんも他界していることを知ったことでしたが、父親の死が変死でなかったように、この母親の死もまた何の不思議もなかったように覚えていました。

その頃に一度私は大村へ行ってみたことがあるのです。と言っても、わざわざ出かけて行ったのではありません。ちょうど長崎医大で開かれた学会へ出席したついでに、長崎からは眼と鼻の先ですから、足を伸ばして大村まで行ってみたことがあるのです。

駅前の讃岐屋という旅館へ鞄を預けて、昔私が通っていた小学校や、その学校の前から街道続きで、昔の藩主の城跡や、仲間とよく遊んだ老松の海風に哮えているお城下の海岸や、私の家が住んでいた上小路の旧宅なぞへ道を辿ってみたのです。何年ぶりで思い出の地をそぞろ歩いたことだったでしょうか? 見るもの聞くもの懐かしからざるはありませんが、同時に一木一草のたたずまいにも、昔と何の異なるところもないのを見ると、こんな狭い土地でよく幼年時代を過ごしたものだと、久しぶりに東京から行った眼には鼻につかえそうなくらい、すべてが鄙びて狭っこましいのにも呆れ返らずにいられなかったのです。