Classici giapponesi con furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.181 caratteri · 219 schermate
紳士が可愛げに頷きながら、私の方を眺めています。
そして、娘が話し終って傍らを離れていると、
「さ、おはいりなさい!」
とアーチのところに佇んでいる私を、麾きました。初めてテラスに上っていって、私はこの紳士に挨拶をしたのです。
「道にお迷いになったとか! 娘がお役に立って何よりでした。よろしかったら、どうぞ、ごゆっくり、お休みになって……さ、おかけ下さい」
立派な日本人ですが、さすがに混血児の父親だけあって、海外生活でも送った人らしく人を逸さぬゆったりとした応対でした。この山の中に住みながら、紳士は血色のいい赭ら顔で、半白の頭髪をキチンと梳って、上衣は着けていませんが、ネクタイにスエターを纏っているのです。赤革の靴といい……この人気のない山の中に、誰が一体、来る人があるのでしょうか? 娘といい父親といい、身嗜みの正しさには、驚かずにはいられません。そこにかけて、問われるままに昨日雲仙を出て、南有馬へ行くのに道に迷い、小浜へ行くにもまた北の道を取り損って、山を降りたところで偶然娘さんに出逢ったこと、連れられてここへ来たことなぞを、話したのです。
「貴方の、越えておいでになった山は」