Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
Leggi 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.572 caratteri · 209 schermate
れるばかりで、はか/″\しい挨拶のお言葉もきこえないとあっては、一向景気が改まらない。老臣共は寄り/\額を鳩めて、こう殿様が引っ込んでばかりおいでになると城中の士気も衰えるし、何より忌まわしい噂の立つのが面白くないから、一つ世直しに花やかな催しをして、ぱっと明るく騒いでみたらどうであろう、それには第一に殿様からその気になって「うるわしい尊顔」を諸士の前へ見せてくれないことには困る、なあに、兎唇や片耳のお姿を見馴れている家来共は、今更鼻が缺けたぐらいに驚くことはなかろうから、そんなに耻ずかしがるには及ばない、弓矢取る身に大切なものは容貌よりも精神にある、顔の造作がちっとやそっと破損していても、それで主人を軽蔑するような不所存者は一人もありはしないであろう、と、そう云う相談をして、恐る/\殿の意中を探って見たりするのだが、一度憂鬱症に取り憑かれた則重は、今度の事件からます/\因循に、臆病になって、何と云われても人前などへ出る料簡にはなれないらしく、強いてすゝめると、
「えゝ、うるはい! あほびたへればはってにあほべ! 己はろうひようほよへいなおへわら!」