Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Leggi 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.572 caratteri · 209 schermate

Aozora Bunko

武蔵守輝勝の甲冑の事、並びに松雪院絵姿の事

何にしても此の男は公の「秘密の楽園」に於ける好伴侶であり、公に取って必要缺くべからざるものだったことは確かである。もし此の男がいなかったら公の性的遊戯も歪んだ発展をしなかったであろう。それ故公も時に道阿弥の存在を呪い、しば/\彼を面罵し、打擲し、寧ろ斬り捨てるに如かずと決心して、白刃を擬したことも一再ではないらしい。公の「遊戯」に関係した男女で無事に生命を完うしたものは稀であるのに、道阿弥が死を免れたのは甚だ幸運と云わざるを得ない。彼こそは最も殺される可能性があり、事実その危険に瀕した度数は誰よりも多かったであろう。にも拘わらず虎口を脱したのは、憎まれる半面にそれだけ惜しまれてもいたのであろうが、一つには彼の気転と才智とに依るのである。

図

武蔵守輝勝の甲冑の事、並びに松雪院絵姿の事

今桐生氏の子孫の家に蔵する所の輝勝の像を見るに、南蛮胴に黒糸縅の袖、草摺の附いた鎧を着、水牛の角のような巨大な脇立のある兜を被って、右の手に朱色の采旆を持ち、左の手をその親指が太刀の鞘に触れる程に大きく開いたまゝ膝の上に伏せ、毛沓を穿いた両足を前方に組み合わせて虎の皮の敷皮の上に端坐している。