Classici giapponesi con furigana
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
Leggi 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.572 caratteri · 209 schermate
道阿弥感涙を催す事、並びに松雪院悲歎の事
間もなくお久が剃刀の代りに紅筆を取り上げて、道阿弥の鼻のあたまを真っ赤な色に塗り潰すと、さすがに若い女どもは、つい今までの恐さを忘れて忍び笑いを洩らし始めた。分けても松雪院は、その持ち前の花やかな声を張り上げて笑った。いつしか彼女たちは河内介の今夜の催しが、結局は人の悪い冗談であったと思い返すようにさせられ、しまいには唯道阿弥一人がみんなの玩弄物になって、
「道阿弥さん、道阿弥さん」
と、坊主頭を叩かれたり、
「これ、お前さんは死んでいるのよ、動くと殿様に云いつけてお手討ちに遇わせて上げますよ」
と、耳や頬ッぺたを摘まれたりした。そして道阿弥がよう/\その床穴から這い上ることを許されたのは、―――「生きている道阿弥」に復ることが出来たのは、―――皆が散々いたずらの限りをつくして部屋を引き上げてからであった。
道阿弥感涙を催す事、並びに松雪院悲歎の事
河内介の酔興はその晩だけに止まらなかった。明くる晩になると、彼は初めから悪ふざけの気分で自分が餓鬼大将になり、松雪院や女中共をそゝのかして、道阿弥の首をいろ/\にいじくり廻すのであったが、最後には又首の鼻を紅で染めさせて、