Classici giapponesi con furigana
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
Leggi 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.572 caratteri · 209 schermate
筑摩則重兎唇になる事、並びに上の厠の事
此の者世に聞えたる鉄炮の上手なりければかねてより桔梗の方の命をふくみ、月形城謀叛の時わざと主家を浪人いたし上方より馳せ下りて横輪豊前が手に属したりと覚え候。然者先年一閑斎を狙ひ候は此の者の所為なること必定に候。かの砌此の者の首は戦場に打棄て、観音の厨子と文ばかりを人知れず懐に入れて帰陣致し候間、桔梗の方逆心のことは誰一人も悟らず候。某よしなき勇をふるひてあはれ此の者を討ち果たし、かのおん方の志を妨げ候こと一期の不覚にて候ひしかども、今より後は無二の味方を申し、内々手引きして望みを叶へまゐらせん折もあるべしと、此の時より心変りいたし候
つまり「織部正を生きながら鼻缺けにする」と云う一事に、河内介の病的な慾望と、桔梗の方の復讐心とが、期せずして満足を求めることになったのである。だからその目的の達成に最も肝要な人物であった図書を殺してしまったことは、両人のために不便を来たした訳なのだが、織部正のためには甚だ気の毒にも、間もなく滑稽な事件が起って来るのである。
筑摩則重兎唇になる事、並びに上の厠の事
天文二十四年乙卯の春、月形城の合戦から半歳ほど過ぎた弥生半ばのことであった。