Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Leggi 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.572 caratteri · 209 schermate

Aozora Bunko

とか、「やはりほんとうの女首でないと、練習に不便だ」とか云うのである。聞いている道阿弥は、全くのところ気が気でなかった。どうも話の風向きが悪い、こうなって来ると、とゞのつまりは大事な顔の造作を切られることになるかも知れない。命はやっと取り止めたが、鼻だけは助かりそうもない。と、案の定河内介は、道阿弥の鼻のあたまを指の股で挟みながら、

「これ、これ、その剃刀を持って来い」

と云うのであった。

「ついでに此の邪魔物を切り取ってしまった方がよい。そうすると、此処が平らになって、ほんとうの女首になる。―――今夜は何事も実地の通りにやるのだから。―――」

いよ/\来たな、と、道阿弥はもう観念の臍を固めていたが、今度は松雪院を初め女中たちが愕然とした。而も河内介は、何となく気違いじみた、血走った眼をかゞやかして、並んでいる腰元共を、一人々々検査するように睨め廻しているのである。

「これ、何をしている、剃刀を持って参れと云うのに。―――」

河内介の眼は、此の時お久と云う一番器量の美しい、十七八になる腰元の上に止まった。彼女はその鋭い視線を避けるように身をすぼめ、あどけない、ふっくらとした面立ちを伏せて、早く恐ろしいものゝ通り過ぎるのを祈っているような風であったが、河内介は、彼女の肩を蔽うているつや/\しい黒髪と、膝の上に置かれた