Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

Leggi 武州公秘話 (ぶしゅうこうひわ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 107.572 caratteri · 209 schermate

Aozora Bunko

夫婦は女中共を引き退らせて蚊帳の中に這入ったのはよいが、枕もとで又盃の遣り取りを始めながら、

「ねえ、殿様、ほんとうの女首って、やっぱりこんなものなんですの?」

と、先ず松雪院が尋ねた。彼女はあまり酒を嗜みはしなかったが、それでも酔うと笑い上戸になる方で、殊にその晩は夫にたび/\盃を強いられたせいか、ひどく上機嫌にはしゃいでいた。

「いや、なか/\こんなものではないさ。ほんとうの女首だと、あの、鼻の赤いところが真っ黒に凹んでいて、これよりずっと気味が悪いさ」

そう云われると松雪院は、すぐもうころ/\と笑い出した。

「しかし、そなた、二人きりになって見ると、あの首でもちょっと恐くはないかね」

「あら、ちっとも恐いことなんかありませんわ」

「此の部屋に己がいなかったらどう?」

「いらっしゃらなくっても大丈夫よ。あんな、鼻の赤い首なんか、可笑しくなるばかりですわ」

「だって昨夜、己が剃刀を持って来いと云ったら、急に真っ青になったのは誰だったか知ら?」

「、※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)、あんなことを仰っしゃって!」

「いや、ほんとうだよ、お久よりもそなたの方が真っ青だったぜ」