Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Leggi 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 115.959 caratteri · 234 schermate

Aozora Bunko

二一

髪剪めない。手拭買えない。正月、十五銭呉れるだけ。子供、一年、二年、三年働く。いつまでも働く。いつまでも正月に十五銭だけ。いつまでも外へ出られない。三年間、一日もここから出ない者十八人。働くばかり。希望、一ツもない。絶望する。九ツか十の子供、子供なりに、死ぬ方がましと考える。黄燐、ぬすんでのむ。二月、死んだ子供二人。三月、死んだ子供四人。黄燐のむ、腹のなか焼ける。苦るしい。細い、小さい子供の身体、皮と骨だけになって、脚かたかたになっていた……社員、職長笑う。支那人、意気地なし、面あてに死ぬる。意気地なし……。」

「ふむむ!」

兵士達は、息がつまりそうに唸った。

二一

幹太郎は、工人達と、接触する機会を奪われた。

受持の浸点作業と、乾燥室から、事務室の計算係にまわされた。彼は帳簿に頸を埋めた。朝から晩まで、ソロバンばかりはじいていた。これは、寛大な処置だったのである。

親爺は、十日をすぎて、まだ、領事館警察の留置場から出てきなかった。

ヘロのきれたその肉体は、地獄よりもツラかった。監視巡査の恥じッかゝしと、軽蔑ばかりの中で、恥をかまっていられず、疼くような呻吟をつゞけていた。