Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
寺の和尚さんは紫の衣を着て、小僧をつれて、忙しそうに町を歩いて行った。茄子や白瓜や胡瓜でこしらえた牛や馬、その尻尾には畠から取って来た玉蜀黍の赤い毛を使った。どこの家でも績殻で杉の葉を編んで、仏壇を飾って、代々の位牌を掃除して、萩の餅やら団子やら新里芋やら玉蜀黍やら梨やらを供えた。
女の児は新しい衣を着て、いそいそとしてあっちこっちに遊んでいた。
十三日の夜には迎え火が家々でたかれる。通りは警察がやかましいので、昔のように大仕掛けな焚火をするものもないが、少し裏町にはいると、薪を高く積んで火を燃している家などもあった。まわりに集まった子供らはおもしろがってそれを飛んだりまたいだりする。清三の家では、その日父親が古河に行ってまだ帰って来なかったので、母親は一人でさびしそうに入り口にうずくまって、績がらを集めて形ばかりの迎え火をした。大家の入り口にはいま少し前焚いた火の残りが赤く闇に見える。
軒には昨年の盆に清三が手ずから書いた菊の絵の燈籠がさげてある。清三は便所に通うのに不便なので、四五日前から、床を下の六畳に移した。
風にゆらぐ盆燈籠をかれはじっと見ていた。