Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

がらすどのうち

硝子戸の中

夏目 漱石

Leggi 硝子戸の中 (がらすどのうち) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.702 caratteri · 105 schermate

Aozora Bunko

その時表から二階の古瓦が少し見えたので、まだ生き残っているのかしらと思ったなり、私はそのまま通り過ぎてしまった。

早稲田に移ってから、私はまたその門前を通って見た。表から覗くと、何だかもとと変らないような気もしたが、門には思いも寄らない下宿屋の看板が懸っていた。私は昔の早稲田田圃が見たかった。しかしそこはもう町になっていた。私は根来の茶畠と竹藪を一目眺めたかった。しかしその痕迹はどこにも発見する事ができなかった。多分この辺だろうと推測した私の見当は、当っているのか、外れているのか、それさえ不明であった。

私は茫然として佇立した。なぜ私の家だけが過去の残骸のごとくに存在しているのだろう。私は心のうちで、早くそれが崩れてしまえば好いのにと思った。

「時」は力であった。去年私が高田の方へ散歩したついでに、何気なくそこを通り過ぎると、私の家は綺麗に取り壊されて、そのあとに新らしい下宿屋が建てられつつあった。その傍には質屋もできていた。質屋の前に疎らな囲をして、その中に庭木が少し植えてあった。三本の松は、見る影もなく枝を刈り込まれて、ほとんど畸形児のようになっていたが、どこか見覚のあるような心持を私に起させた。