Classici giapponesi con furigana
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えいほんどじょうりくせんのぜんや
英本土上陸戦の前夜
海野 十三
Leggi 英本土上陸戦の前夜 (えいほんどじょうりくせんのぜんや) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.727 caratteri · 72 schermate
するとやっぱり、自分は、中国人なのであろうか。
看守が君の元首蒋将軍によろしくといったことが思いあわされる。
「中国人だったのか、おれは……」
仏天青――と今後彼をそう呼ぼう――は、まだぴったりしないような顔付で、ひとりごとをいった。
それから仏は、ふと、今自分が着ている服に目をうつした。それは中国服ではなく、タキシードであった。しかしひどく汚れていた。上も下も胸も、泥まみれになっていたうえ、肘のところは破れ、ズボンにも、かぎ裂きのような箇所があり、見れば見る程、見られたざまではなかった。
「ふーん、これはどうしたんだ」
どこで、こんなに土まみれとなり、かぎ裂きをこしらえたのであろうか。彼は、急に恥ずかしさがこみあげて来た。そこで、彼は下に落ちていた中国服をとりあげると、埃をはらって、タキシードの上から着た。そして、あわてて襟を合わせた。
彼は、それからまた歩きだしたが、何思ったか、また引返した。そして舗道のうえを風にあおられて匐っていく、包紙の新聞紙を、靴の先で踏まえた。彼は、その新聞紙をとりあげて見ていたが、そのまま畳んで、タキシードのポケットにねじこんだ。