Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate

Aozora Bunko

「俺は少し訊き込みたい事がある。上野の暮れ六つ(六時)が鳴ったら、王子の佐野屋の方へ降りて来い」

「ヘエ――」

「茶店から眼を離すな、――手前の姿なんか隠すことがあるものか。喉が渇いたら、時々あの老爺の茶店へ入って茶を貰うがいい」

「それっきりですか、親分」

「そうそう、手前相変らず財布が空だろう。飲まず食わずじゃ見張りもなるめえ、手を出しな」

「ヘエ――」

ガラッ八の大きな手の中へ、小粒を二つばかり落すと、平次はそのまま踵を返して吉原の方へ行ってしまいました。

それから夕方まで、ざっと半日。

ガラッ八は根気よく桜の根っこで、老爺の茶店を見張りました。昨日の騒ぎを聞伝えた人達は、物好き半分、桜の根と老爺の茶店に殺到して、この辺の混雑というものはありません。

ガラッ八は時々茶店へ行って、無駄話をしたり、茶を呑んだり、団子をつまんだり、用事のあるようなないような、取り止めのない顔で日暮れを待ちました。

やがて、雀色時、桜の梢を渡って、上野の暮れ六つの鐘が鳴ります。

「爺さん、左様なら、明日また来るぜ」

ガラッ八は愛想の好い老爺に挨拶して、軽い心持で山を降ります。