Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
とんでもねえ奴だ」
金六はすっかりムキになります。
「金六兄哥、その番頭は少し臆病過ぎはしないか、――顫えてるじゃないか」
平次は注意しましたが、金六いっかな聴くことではありません。
「芝居だよ、これは。悪者もこれくらい劫を経ると、いろいろな芸当をする」
金六は双手を掛けてさいなみ始めました。
「親分さん、――こんな事を言っちゃ悪いでしょうか」
お藤はたまり兼ねた様子で、薄暗い部屋の中へ、邪念のない――が、おろおろした顔を出します。
「お藤さん、構わないから、思い付いた事はみんな言ってみるがいい、――とんだ人助けになるかも知れない」
平次は精一杯の柔かい調子で、この聡明そうな処女を小手招ぎました。
奉公人にしては贅沢な銘仙の袷、赤い鹿の子の帯を締めて洗ったばかりらしい多い髪を、無造作に束ね、脅えた小鳥のように逃げ腰で物を言う様子は、不思議な魅力を撒き散らします。
「文次どんは下手人じゃありません。お店から一寸も動かなかったんですもの」
「それだけか」
「それに、洗った着物の血は裾へ付いておりました。後ろから旦那を斬ったのなら、返り血は顔か肩か胸へ付くはずです。