Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
「私はあっちへ参りましょう」
と、お藤、もう立ちかけているのを、
「いや、いて貰った方がいい」
平次はそう言って押えながら、一方若旦那の万次郎を迎えました。
「お前さんの帰った姿を見た者がないと、少し話が面倒になるが――」
「ヘエ――、驚いたなア、そんな事で親殺しにされちゃかなわない」
宿酔も醒めて、万次郎もさすがに閉口した様子です。
「朝のうちで、誰も店に居ない時というと、飯時より外にない。その時そっと入って、風呂場へ行っても、気の付く者はないはずだ」
平次の論告は、相変らず峻烈でした。いつもの、出来るだけ人を罪に落さないようにする調子とは、何という違いでしょう。
「そんな事が出来るものですか、とんでもない」
万次郎もさすがに腹に据え兼ねた様子です。
「お前さんは、親旦那と仲が悪かった、――その上悪所通いの金にも詰っている」
「…………」
「親旦那が亡くなれば、この身代が自分の物になった上、馴染の神明芸者お染を入れても、誰も文句を言う人はない」
「えッ、黙らないか。岡っ引だからと思って聴いていると、なんて事を言やがるんだ。この万次郎は、深川一番の不孝者だが、まだ親殺しをするほどの悪党じゃねえ」