Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.866 caratteri · 318 schermate
考えてみると、モリ蕎麦を背丈ほど喰うのを誇りとするアンチャンと、大して変わらぬ無邪気な自慢話である。
申すまでもなく、二十三年の間には、実にいろいろのことがあった。どうにもこうにも書けそうもなくなったことも三度や五度ではない。幾度かはお辞儀をしてしまったこともあるはずである。が、眼が悪くなって、原稿紙の枡目さえも覚束なくなった今でも、どうやら書き続けているのである。これは決して洒落や道楽で出来ることではない。生活と四つに組んで、創作慾に引きずられて、弱いマラソン選手のように、喘ぎ喘ぎ駆け続けているのが本当の姿である。
「鼻唄を歌いながら書く」と、某新聞に書いたのは、無闇に芸術がる人達、名匠苦心談の製造に憂身をやつす人達に対する、私のささやかな反語であったが、最近作家の某氏が三十年振りに私を訪ねて「鼻唄を歌いながら小説を書くというのは、あれは羨ましい境地だ」と褒めてくれたには胆をつぶした。どこの世界に鼻唄を歌いながら小説を書ける化物があるだろう。
「名匠苦心談」というものを、私は何より嫌いである。満足に三度のものにあり付いて、一つの芸事を仕上げるものに、おろそかな心掛けはないはずである。