Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うんぜんだけ

雲仙岳

菊池 幽芳

Leggi 雲仙岳 (うんぜんだけ) di 菊池 幽芳 (きくちゆうほう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.192 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

九十九島

九十九島

私が町長の本多さん初め、伊勢屋の主人、津田老人などに自動車で送られて、雲仙に帰ったのが三時。それから四時過ぎやや日蔭の出来るのを待って、九州ホテルに暇を告げ、園さんと共に島原に下った。然しそれは雲仙と別れたのではない。風光明媚で聞えた島原に一夜の宿を求めることも、目的の一つではあったが、島原から行くことが便利であるところの「普賢新焼」の熔岩流を見るためであった。

雲仙島原間の自動車道は五年前私の来た時は工事中であったのでそれまでは島原へ降るためには、かなり難儀な普賢下りをしなければならないのだった。この自動車道は雲仙で一番見事な道路で野岳の山脚を大廻りするため、勾配もカーヴも緩慢でドライヴには持って来いであるが、その代り旧山道なら三里に足らぬところを六里も迂廻するのであった。

島原の狭い町をぬけて南風楼についたのが六時前、老女将初め昔馴染で、商売離れての手厚いもてなしに旅の心がどれほどくつろいだことであろう。旅館ではなくて、別荘のような気持のするこの楼の二階から、有明海を隔てて、肥前の多良岳や、肥後の山々を望み、九十九島に対する明麗な風光は、旅情を慰むるに十分である。