Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
しかし遠い先祖のことについて、こういう一種の伝説があるといって、当代の主人が話してくれた。
それが何代目であるか判らないが、源平時代に越智の家は最も繁昌していたらしい。その越智の屋敷へ或る年の春の夕ぐれに、二人連れの若い美しい女がたずねて来た。主人の七郎左衛門に逢って、どういう話をしたか知らないが、その女たちはその夜からここに足をとどめて、屋敷内の人になってしまった。主人は一家の者に堅く口止めをして、かの女たちを秘密に養っておいたのである。女たちも人目を避けて、めったに外へ出なかった。
その人柄や風俗から察すると、かれらは都の人々で、おそらく平家の官女が壇の浦から落ちて来て、ここに隠れ家を求めたのであろうと、屋敷内の者はひそかに鑑定していた。主人の七郎左衛門はその当時二十二三歳で、まだ独身であった。そのふところへ都生れの若い女が迷い込んで来たのであるから、その成行きも想像するに難くない。やがてその二人の女は主人と寝食をともにするようになって、三年あまりをむつまじく暮らしていた。どっちが妻だかわからないが、家来らはその一人を梅殿といい、他のひとりを桜殿と呼んで尊敬していた。