Classici giapponesi con furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Leggi 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.438 caratteri · 238 schermate
」
「そうです。」と、S君はうなずいた。「支那人はしきりに止めたそうですが……。」
「止めたには止めたが、家に妖ありだけでは訳が判らないので、僕たちも取合わなかったのですが、その妖というのはどんな訳なのですかね。」と、僕は訊いた。
「では、その子細は御承知ないのですね。」
「彼はしきりにしゃべるのですが、僕たちは支那語が不十分の上に、相手は満洲なまりが強いと来ているので、なにを言っているのか一向わからないのです。要するに、ここの家には何か怪しいことがあるから泊るなと言うらしいのですが……。」
「そうです、そうです。」と、S君がまたうなずいた。「実はわたしも家に妖ありだけでは、なんのことだかよく判らなかったのです。それに、あなたの言う通り、あの若い支那人は訛りが強くて、わたしにもはっきりとは聴き取れなかったのですが、幸いにその祖父だという老人がいて、それがよく話してくれたので、その妖の子細が初めて判ったのです。」
如才のないT君が茶をこしらえて出すと、S君は、「やあ、御馳走さまです。」と喜んで飲んだ。実際、砂糖を入れた一杯の茶でも、戦地ではたいへんな御馳走である。