Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Leggi 食道楽 (くいどうらく) di 村井 弦斎 (むらいげんさい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.757 caratteri · 321 schermate

Aozora Bunko

と人の得手勝手には際限なし。中川も張合なき顔して「それならば生物ばかり噛っているに限る。野蛮人種のように煮もせず焼きもせず、肉でも野菜でも生で食べるのが一番無造作だ。しかしそれでも体内へ入って消化されるまでの手数はやっぱり同じ事だよ。体外で焼いたり煮たりしない代りに体内で胃と腸とが煮たり焼いたりするだけの手数をかけている。世が文明に進むほど体外の料理法へ手数をかけて胃と腸との手数を省いて遣るのだ。薩摩芋を食べるにしても丸噛じりにすると消化の悪い繊維がそのまま腹へ入るから胃と腸とはそれを消化させるに非常の手数をかける。体外には裏漉だの擂鉢だのという便利の機械があって造作なく繊維を除れるけれども胃と腸とは何の機械も持っていない。それへ手数をかけさせるのは気の毒でないか。体外の機械は段々進歩して軽便精巧な物が出来るけれども胃と腸とは古往今来いつでも同じ道具で働いている。可哀想なものさ。体外の裏漉や擂鉢で筋を取ればその手数は料理する人一人だけで済む。食べる人は幾十人あっても皆な体内の手数を免れる。その一人が手数をかけずに幾十人の体内へそのまま押込めば数十人の胃腸が尽く大手数をかけるのだ。