Classici giapponesi con furigana
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ぎょもん
魚紋
吉川 英治
Leggi 魚紋 (ぎょもん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.582 caratteri · 30 schermate
お部屋様くずれ
一
お部屋様くずれ
一
今夜も又、この顔合せでは、例によって、夜明かしとなること間違い無しである。
更けても、火鉢に炭をつぐ世話もいらない程の陽気だし、桜花も今夜あたりでおしまいだろう、櫺子の外には、まだ戸を閉てない頃から、春雨の音がしとしとと降りつづいていた。
パチ…… パチリ
榧の柾目の盤が三面、行儀よく並んでいた。床の間へ寄った一面は空いていて、紫ちりめんの座ぶとんだけがある。那智石の白へ手を突っ込んで、
『さアて。……』
弱った顔つきを、近視のように盤へ近づけてうなっているのは、ついこの近所の山岡屋という、質屋の番頭。
質屋というと、堅気の中でもかちかちの吝嗇屋らしく聞えるが、専ら商売になってゆくのは、盗品買だといううわさのある質屋なのである。で、そこの番頭という才助の眼もどこか鋭かった。けれど、男ぶりはちょっと好くて、年頃も、ここへ集まる中では一番若い二十四か五ぐらい。
パチ?
『なる程。妙手もあるものだの』
相手は医者の玄庵だった。
外科では上手と云われているが、脂ぎった五十男で、仁術という職業には余りに体力的な人物だった。道楽が多いらしいのである。