Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
「どこだ、彼奴の仆れた所は? ……」
「あ、その辺……。いえ、もう少し向うへ寄った笹の中で」
「はてな」
「そ、そこに、白いものがぶっ仆れているじゃありませんか」と、半次、及び腰で指をさした。
「違う……」
「道しるべの石だ」
「と、すると、もう少し向うだったかしら」
「油断を致されるな!」
それは、明らかに、天堂一角の声らしかった。
「仆れたに致せ、弾が急所をはずれていることもある」
「おう!」と思わず三方に開き分れて、ふたたび、念入りな構えを取りながら、いざといわば三本の白刃を、一度に抜き浴びせる気で、ジリジリと寄りつめて行った。
「や? ……」
「なんといたした」
「妙だ、いない。イヤ、何者も仆れておらんぞ」
「ばかな、そんな筈が……」
と、誰か、三人のうちの一人がいいかけて、グルリと、後ろを睨み廻した刹那だった。
すぐ、傍らの木の幹に、ベタリと身を貼りつけていた影が、
「弦之丞はここだッ!」
と、大声でいった。
剣の行く前に、まず対手の心胆を、真ッ二つにする気殺!
それと一緒に、声と五体と剣の光流! 一ツになって飛び斬りの真ッ向落し、あッというまに、一人の影を前伏せに斬ッて仆した。