Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.100 caratteri · 523 schermate
時に、あんなに泣いていたのだろうか? ……とそれが解けない謎でした」
「ウム、そう話されて、俺にはうッすら分ってきた」
「私も年頃になってから、それを覚ってきたのです」
「花の散る晩に、ここへ別れにきた侍は、お前の――」
「私の、ほんとの、父親でしょう? ……」
「そうよ、それに違えねえ」
「養い親の人情で、虎五郎は私にそれを秘し隠しにしていましたが、息をひきとる時になって、初めて、それを明かそうとしたのじゃないかと思うのです」
「なるほど……、そうすると、お前に渡した刀と一緒に、何か由緒が書いてあるかもしれねえ」
「このお堂の御廂を仰いで、ふいと思い浮かんだのも、何か深い因縁ずく……と、急に開けてみたくなったもんだから……」
「まア、とにかくそれじゃ、早く中をあらためてみるがいい」
「ええ……」と、いって、お綱はまた現実のときめきにうたれながら、膝にのせていた刀の包み紙を、クルクルと、静かにはいでゆくのであった。
と――その下には、卯黄の布。
固くこま結びにしてあるのを、糸切歯で解こうとして、口の辺りへ持ってゆくと、その布の隙間からバラバラと散りこぼれたのは七、八通の書付と――手紙と――そして守り袋。