후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃんはい
上海
横光 利一
横光 利一의 上海(しゃんはい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,628자 · 292화면
お柳は主人の後から立ち上ると、傴僂を抱いて寝台の上へ連れていった。
「一寸しばらく、御免なされ。時間がやって来ましてな。」
主人は甲谷に会釈しながら横になると、お柳の与えた煙管を喰えて眼を細めた。彼の唇が魚のように動き出すと、阿片がじーじー鳴り始めた。お柳は甲谷の方を振り返っていった。
「あなたはいかが。」
「いや、僕は駄目です。どうぞ奥さんは御遠慮なく。」
お柳は主人の傍で煙管の口から焼き始めた。甲谷はふと彼ら二人は自分の視線を楽しむために、この楼上へ呼び出したにちがいないと判断した。すると、俄に腹が立ち始めた。――彼は今まで真面目に饒舌っていた自分の顔に、急に哀れを感じずにはいられなかった。間もなく、二人は甲谷の前で、恍惚とした虫のように眼を細めた。お柳の豊かな髪が青貝をちり嵌めた螺鈿の阿片盆へ、崩れ返った。傴僂の鼻が並んだ琥珀や漢玉の隙間で、ゆるやかに呼吸をしながら拡がった。
「月明の良夜、慇懃に接す。」
甲谷の頭の中で、対子の詩文が生き生きとして来るにしたがって、二人の身体はだんだん礼節を失った。やがて、甲谷は、お柳との無銭の逸楽に耽った代償を完全に支払わされている自身に気付かねばならなかった。