후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃんはい
上海
横光 利一
横光 利一의 上海(しゃんはい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,628자 · 292화면
もしお杉がそこにいなければ、もう一度橋を渡って、何一つ食い物のない自分の家まで帰らなければならぬのだった。それなら、もう行く先きにお杉がいようといまいと、彼にはただ行くより他に道はなかった。
彼は歩きながら、もう危険区劃を遠く過ぎて来ているのを感じると、しばらく忘れていた疲労と空腹とにますます激しく襲われ出した。彼はお杉のいる街の道路がだんだん家並みの壁にせばめられていくに従って、いつか前に、度々ここを通ったときに見た油のみなぎった豚や、家鴨の肌が、ぎらぎらと眼に浮んで来つづけた。そのときここの道路では、いくつも連った露路の中に霧のようにいっぱいに籠って動かぬ塵埃の中で、ごほんごほんと肺病患者が咳をしていた。ワンタン売りの煤けたランプが、揺れながら壁の中を曲っていった。空は高く幾つも折れ曲っていく梯子の骨や、深夜ひそかにそっと客のような顔をしながら自分の車に乗って楽しんでいた車夫や、でこぼこした石ころ道の、石の隙間に落ち込んでいた白魚や、錆ついた錠前ばかりぎっしり積み上った古金具店の横などでは、見るたびに剥げ落ちていく青い壁の裾にうずくまって、いつも眼病人や阿片患者が並んだままへたばっていたものだ。