후리가나로 읽는 일본 고전
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『ケプロン・くろだのこうそう』について
中谷宇吉郎集 第八巻
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 中谷宇吉郎集 第八巻(『ケプロン・くろだのこうそう』について)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,890자 · 178화면
全然人工の加わっていない自然のままの立木である。このあたりは拓けてからまだそう年月が経っていないので、もとの原始林の立木を、そのまま残したものが多い。それでこれらの庭木は、たいていは、三階建の家の屋根をはるかに越す背の高い木が多い。そういう大きい立木が、芝生の中に、きわめて無造作に、にょきにょき立っているのが、即ちこの土地での庭なのである。
こういう風景は、日本内地では、ちょっと見かけられないが、札幌では、何も珍しいことではない。札幌の北大の構内は、エルムの学園などといわれて、戦前のまだ豊かであった日本では、東京などの若い人たちの間に、大いに人気があった。あの北大のエルムも、原始林の立木を、そのまま残したものである。
十分に生長した闊葉樹の冬姿には、一種の魅力がある。葉がない点は、全く枯木と同じであるが、どこか枯木とは、ちがったところがある。葉は全然ないが、それは生きている。やがて緑の天蓋をもって、地上における人間の生活をまもってくれる気配が、その姿の中に秘められている。
葉がないという点では、枯木も冬姿の闊葉樹も、全く同じはずである。しかしわれわれの目には、生きているものと、死んだものとの差が、ちゃんと分る。