후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
一時に殺到する註文のため夜業が毎日つづき、縫工場の方も足踏式ミシンだった工場にモーターミシンが取つけられ、就業人員もぐっと増加して行った。てんてこ舞いの昼夜がつづき、どうなることかと思っていると、それも間もなく下火となりやがて夜業は廃止された。すると今度は絶えず統制や法規がここを襲い営業の模様をつぎつぎに変えて行った。静三は役所へ提出する書類に忙殺され、防空演習をはじめ各種の行事に悩まされた。やがて、梅津商店もその頃の流儀に従って、梅津製作所と改名された。……今はその建物も改築されていたので、静三が昔憶えている姿とはひどく懸隔れていた。だが、戸棚の隅などからまだ子供の時見つけた商品が出てくることもあったし、どこか手の届かない柱の上などには昔の塵がその儘残っているようにも思えるのだった。
さて、昭和十九年の暮れは梅津製作所創立五十周紀念の祝賀が賑やかに行われた。すると、その祝いの最中、急に空襲警報が鳴り出した。がそれは、その時九州が空襲されたため、少し周章てて警報が出たのだった。が、それから半年もたたないうちに今度はほんとうに警報が鳴りだすようになり、そこの街の上空にもB29の姿を見かけるようになった。