후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
日和下駄
麻の葉模様の青地に白く浮出た鋭い線が、痩せた躯に喰い込むように絡んでいて、それはふと私の心をかきむしったのであった。妻も悲壮な気持であったのに違いない。
小豆色のぱっと明るい、鹿子絞の羽織を妻は好んで病院では着ていた。齢にも似合わない派手なものであったが、それをかたきのように身に着けていたのも、今にして思えば、悲壮な心からかもしれない。
白いフランネルの寝巻。これはむかし新婚の旅先で彼女がトランクからとり出して着、「この寝巻のことをいつかはきっと書いて下さい」と云っていたものだ。それほど好きだった寝巻も病床で着古し、今はすっかりすりきれたようになっている。
日和下駄
もう五年も前のことになるが、弟の入営を郷里まで見送りその帰りに日和下駄を一足買って戻った。軽い桐の台の、赤い緒の、値段も廉いものであったが、どこか、がっちりとした恰好が好もしく、気軽に足を載せてみたくなるような品であった。病床の妻はそれがよほど気に入ったらしく、気分のいい時など畳の上で履いてみたりしたが、早くその歯をじかに黒土に触れる日を待ち望むように、そっと履物を労わっては仕舞込んで置くのであった。