후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
虚脱
「えらい、すみませんな、喰べものがないばっかしに、ああ、こうしてみんな苦労しやんす」と、溜息まじりに口をきくのであった。
虚脱
目白駅の陸橋にはゼネストのビラがべたべたと貼りつけてあった。二月一日からゼネスト突入とあるから、もうあと幾日もない日のことであった。私は雑司ヶ谷に人を訪ね、それから再び駅の方へ引かえして来ると、恰度もう日も傾きかかった頃だったが、駅前の広場に人だかりがしている。何気なくその人垣の方へ近づき円陣の外に立留まって眺めると、実に意外な光景であった。そこには七八人の男女が入乱れて、南無妙法蓮華経を低唱しながら、てんでに勝手な舞踊をつづけている。舞踊というのか、祈祷というのか、ものにとり憑かれているというのか、両手で円い環を描いたり、足をゆさぶってみたり、さまざまの恰好をつくるのだが、大概のものが、眼は軽く閉じていて、動作は頗る緩慢なのだ。戦災者らしい汚れた服装の娘もいたし、薄化粧をした振袖の女もいる。そうかと思うと、人垣の方からフラフラと誘われて踊りながら円陣の中に吸込まれる口鬚の親爺もいた。しかし誘われる人には誘うところの光景だったのだろう。