후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
翳
※(ローマ数字1、1-13-21)
※(ローマ数字1、1-13-21)
私が魯迅の「孤独者」を読んだのは、一九三六年の夏のことであったが、あのなかの葬いの場面が不思議に心を離れなかった。不思議だといえば、あの本――岩波文庫の魯迅選集――に掲載してある作者の肖像が、まだ強く心に蟠るのであった。何ともいい知れぬ暗黒を予想さす年ではあったが、どこからともなく惻々として心に迫るものがあった。その夏がほぼ終ろうとする頃、残暑の火照りが漸く降りはじめた雨でかき消されてゆく、とある夜明け、私は茫とした状態で蚊帳のなかで目が覚めた。茫と目が覚めている私は、その時とらえどころのない、しかし、かなり烈しい自責を感じた。泳ぐような身振りで蚊帳の裾をくぐると、足許に匐っている薄暗い空気を手探りながら、向側に吊してある蚊帳の方へ、何か絶望的な、愬えごとをもって、私はふらふらと近づいて行った。すると、向側の蚊帳の中には、誰だか、はっきりしない人物が深い沈黙に鎖されたまま横わっている。その誰だか、はっきりしない黒い影は、夢が覚めてから後、私の老いた母親のように思えたり、魯迅の姿のように想えたりするのだった。この夢をみた翌日、私の郷里からハハキトクの電報が来た。