후리가나로 읽는 일본 고전
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はるかなたび
原民喜戦後全小説
原 民喜
原 民喜의 原民喜戦後全小説(はるかなたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,577자 · 124화면
悲鳴
私は障子を破る鼠というのをはじめて知った。古雑誌でその穴を修繕しておいても、つぎつぎに紙の弱っているところを破って行った。この村の鼠は私同様飢えていた。ある朝、階下の押入にはカチカチになって死んでいる鼠がみつかったが、「食いものがないからよ」と人々は笑っていた。
悲鳴
車内は台湾からの復員兵がぎっしり詰っていたがあれは何という怕しい列車だったのだろう。朝から昇降口に立ちづめのまま、私はそこで揉み合う沢山の人間を見た。若い男が年寄を呶鳴りつけていた。呶鳴られた年寄はおとなしく身を縮め、なるべくそちらへ触るまいとした。だが、どうかすると、押してくる人のためにそちら側へ押されて行くのだった。便所の中にはトランクやリュックが持込まれ、そこにも四五人が陣どっていた。私が漸く列車の車内に這入れるようになったのは、その日の夕刻からであったが、そこは濛々として荷物やら人の顔やら見わけもつかぬもので満されていた。
次の駅に着くと昇降口のところではまた紛争が繰返されているらしかった。何か頓狂な叫びと、それを罵る大勢の声がしていたが、やがて、ドカドカと車内へ割込んでくる防空頭巾の奇妙な男と、その配偶らしい婦人があった。