일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

亀井 勝一郎의 大和古寺風物誌(やまとこじふうぶつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,647자 · 215화면

아오조라 문고

かような状景のままに放っておくところに、或は寺僧のひそかな思いやりがあるのかもしれぬ。崩れた土塀に沿うて歩いて行くと、天平人たちの亡霊がふいに現われて来そうに思う。彼らの衣の香り、衣ずれの音までがふと聞えてくるようだ。肉体は滅びたが、彼らの霊魂はなお深い郷愁をもってこの辺りを彷徨っているのであろうか。霊魂の不滅を私は薬師寺のあたりで信ずるのである。荒廃した寺の裡に、却って不思議な生命を感じさせるものがあるのだ。

土塀といえば、私は大和をめぐってはじめてその美しさを知った。北海道に育った私は、白壁とか土塀には全く縁がなかったのである。北方のこの開拓地では、都会の家屋には急造の洋風が多く、農村地帯の民家は、厳寒に耐えるように頑丈な木で堅く組みあわされている。塀などはなく、大抵は牧場にみらるるような柵をたてているか、乃至は白楊の並木を植えているだけだ。石狩の大平原につらなる白楊の木と、牛の飼料を貯蔵しておく石造の塔の眺めは広漠としていい。ああいう荒涼たる風景はもとよりここではのぞまれない。しかし私は山形へ来て、はじめて白壁の美しいのに驚いた。とくに春ともなれば、その純白な壁に桑の若葉が映って、互に鮮かさを競っているようにみえる。