후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
亀井 勝一郎의 大和古寺風物誌(やまとこじふうぶつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,647자 · 215화면
山岳や茫々たる沙漠や曠野の大海を彷徨った原始の血であろうか。或は南方の強烈な光りによって鍛えられた血であろうか。しかし側面から眺めると、この原始の肉体は忽ち消え失せて植物性の柔軟な姿に変ってしまう。胸が平板で稍々猫背であるため体躯が柔い感じを帯びてくる。原始の肉体に植物の陰翳を与えたところに、神々しい中性が生じたのでもあろうか。礼拝はおそらく側面からするのであろう。――これが礼堂で救世観音を拝した折の、私の最初の印象であった。
私はまたこのみ仏に接して、唐突ながらポール・ゴーガンの「タイチ紀行」を想い出したりした。数多の夢を失い、数多の努力に疲れ果て、道徳的にも精神的にも疲弊している社会の悪を、長いあいだ運命的に受け継いで来た殆ど老人といってもいい人間――彼は自分をそう語っている。頽廃して行くヨーロッパを逃れて、彼は南海の孤島に土人の娘とともに原始の生活をつづけた。赫熱する太陽の光りと強烈な色彩につつまれて裸体の生活に還った。それは十九世紀末葉に一ヨーロッパ人が試みた文明からの悲しい逃亡であった。この病み衰えた人間は、南方の土民の間に混り、彼らの血液を吸うて再生を希ったのである。