후리가나로 읽는 일본 고전
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
大下 宇陀児의 探偵クラブ 烙印(つめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,509자 · 103화면
それは、二つの理由からだ。
一つは、暗いことによって、犯人の逃げる姿が誰にも見えなかったという、弁明をするためだったに違いない。庭には常夜燈が一つあり、良人の部屋からも明るみが流れ出している。この明るみの中を、事実犯人が逃げ出したとすれば、恰度台所にいた竹やが、その姿を見た筈であるかも知れない。ところが、暗ければ、そのために見えなかったともいえるのだ。要するに暗さは、人の姿を隠しもするし、同時に、もともと存在しなかった姿が、暗さのため見えなかったということにもしてしまうのだ。
暗さについて第二の理由。
犯人は、その暗さの中で、ピストルを発射しているが、それは、どこで発射されたものだったろう。ここで順序正しくいうと、犯人が漆戸を射殺したのは電燈の消える前のことだ。犯人は、その夜田舎者の女中だけを残して、他の者に暇を与えて遊びに出した。そして八時半竹やを医者のところへやり、竹やの留守のうちに、最も恐るべき良人殺しの罪は行われたのだ。犯人は、かねて綿密に考慮した計画に従い、良人の部屋へ行き、恐らくは前以て盗み出して置いたピストルを、毛布か蒲団類似のもので包んで音のなるべく四隣へ響かぬよう注意し、何か冗談をいいながら、良人の前額部に銃口を押し当て、良人が、何をするか理解せぬうちに素早く引金を引いた。