일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면

아오조라 문고

安土の奥の殿深くは、宵ごとにちかづく初春を待つ支度などに忙しいのであろう。

狩野山楽の絵、また某の彫刻など、ここは当代の巨匠の精華をあつめた芸術の殿堂でもある。むかし――といっても遠くもないわずか二十年足らずの清洲の小城から較べれば、ここの主の右大臣信長も、時には感慨なきを得ないにちがいない。

奥殿と中殿とのあいだを渡してある唐橋の欄に立って望むと、無数の舞扇を重ねたような天守閣の五層の廂と、楼門の殿閣の大廂とは、見事な曲線を宙に交錯させている。そして山上から麓にいたるまでも、豪壮な建築物の壁や屋根の森のあいだに点綴され、それから平面に展けている安土城下の全市街は、濃藍な暮色のなかに星を撒いたような灯の海をなしていた。

信長は、いま、食膳に向いかけていたが、

「なに、筑前が見えたと」

意外そうにいうとすぐ、一室から一室へと、歩を移して、

「袴。袴」

と、小姓の者へそれを急いた。そして毎夕、食膳のときには、給仕に侍る女房衆のあきれ顔を振向いて、

「――夜食は、あとに致す。膳部は退げてよい」

と、いった。

あわてて小姓たちのさし出す袴をとって穿きかえるべく、その紐を結びながら、