일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면

아오조라 문고

彼方には小銃の谺がする。

「来たぞッ」

「お館。御用意を」

武者たちは、総立ちになった。

勝頼は、子の太郎信勝へ、

「よいか」

と、覚悟をただした。

信勝も、一礼して、起ちあがりながら、

「お側を離れずに死にましょう」

と、答えた。

「さらばぞ」

と、父子が、駈け出そうとするとき、夫人はうしろから初めて大きな声して良人へ云った。

「お先に参っておりまする」

「……オオ」

勝頼は、立ちどまった。そしてその目に凝視した。短い刃を持って、山の端の月とも見える真白い面を仰向けたまま目をふさいだ夫人が、日頃、愛誦している法華経の五之巻の一章をしずかにその唇から唱えているすがたを。

「土屋。土屋」

「はいッ」

「介錯をしてやれ」

「……は。……はい」

しかし夫人は、その助けの刃を待たずに、自ら法華経のながれ出る唇の中へ、手の懐剣をふくんだ。

がばと夫人のすがたが、前へ俯っ伏したせつな、ひとりの上※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)が、

「御台所様には、はやお立ち遊ばしましたぞ。皆々にも、死出のお供、おくれませぬように」

と、残る人々を励まして、すぐことばの下に、自分も刃を仰いで仆れた。