후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
「長らく、質子として、それがしの手許におあずかりしていましたが、いまはその要もなしと、信長公より御帰家のおゆるしの出た御子息、久しぶりに、御父子、御対面なされたがよい」
と、つつがなく、父の手へ、松寿丸を返すと、官兵衛孝高は、子の大きくなった身なりへ、ひと目向けたのみで、
「来たか」
と云い、また、その扮装を見遣って、
「ここは、戦場、そちにとっては、一人前のさむらいに、成るか成らぬかの初陣の場所、父のそばへ帰ったなどと思うなよ」
と、諭した。
秀吉にとって、両の腕ともたのむ二人が帰って長らく堅氷に閉じられていたような帷幕も、ここ遽かに、何となく華やいで来た。
彼の周囲、彼の帷幕のそうした空気は、すぐ全軍の士気へ、微妙な作用をもって映る。
作戦、攻城は、急に活溌になった。城南城西の一塁一塁へ向って、寄手の兵は間隙を見ては攻めたてた。
五月になった。
雨季に入る。
ここは中国の山地なので、たださえ雨が多いため、道は滝津瀬と変じ、空壕は濁水にあふれ、平井山の本陣の、その登り降りには、泥土に踏み辷るなど、ここいささか快速を加えて来たかに見えた攻城も、ふたたび自然の力に阻まれて、まったく膠着状態になってしまった。