후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,320자 · 398화면
「……お、燈火がもれています。お待ちなさい。誰か起きておりましょう」
外の人声は、やがて軒下に寄って来た。そして軽く、雨戸をたたく。
「誰じゃ?」
「おゆう様ですか。熊太郎でございます。伊丹へ参った栗原熊太郎、いま戻って参りました」
「おお。帰って来ましたか。――お兄上さま、熊太郎が帰って参りました」
弾んだ声で、彼女はこう奥の兄へ告げ、それから水屋の戸を引きあけた。
ひとりと思いのほか、三名の人影が星明りを塞いでいた。熊太郎は手を出して、おゆうから桶を借りうけ、ほかの二名を誘って、井戸のそばへ行った。
「……誰方であろう?」
彼女はそこに佇っていた。熊太郎というのは、半兵衛が栗原山に閑居していた頃から召使の童子として年来側近く育てて来た家来である。その頃は小熊と称していたが、いまはもう三十がらみの見事なさむらいとなっている。
その熊太郎が、釣瓶を汲みあげては桶へ水をそそぎ落すと、他の二名は、手足の泥や袂の血など洗い落している容子であった。
兄の半兵衛に命じられて、深夜ながら取り急いで、おゆうは小書院に明りを燈したり、火桶へ火を入れたり、客の褥をそろえたりし始めた。